


法人において、業務を進めるためレンタルパソコンやスマホ等の電子機器を社員に貸与することが一般的になっておりますが、その際には規定(ルール)を設けているところもあります。
貸与する以上あたりまえと会社側は思っていても、社員数の増加に伴いトラブルも増えます。あらかじめ設けておくのが望ましいようです。
理由としては社員が私的な利用により、何らかのトラブルや情報漏洩につながることや、業務効率を低下してしまう恐れがあり、会社の損害につながることもあるために、注意を促すために設けています。
その際の方法として①就業規則②貸与の際の誓約書③持出申請書の3つの規定がもうけられています。
今回はその内容について、テンプレートを交えて解説をおこなっていきます。
目次
通知の方法は以下の①~③の方法でおこなう事が一般的なようです。
会社でノートパソコン等電子機器使用の際、就業規則では以下のような記載があるようです。
記載事項 | 内容 |
【遵守事項】 | ・利用者は貸与されたパソコンが破損、紛失、盗難のないようにする ・パソコンを業務目的以外で使用しない(ネット閲覧・電子メール送受信など) |
【禁止事項】 | ・会社の許可なく持出しをしない、社外の者に利用させない ・パソコンに保存されたデータやファイルの使用、消去、第三者への提供をしない ・会社の許可なくパソコンの改造・分解、システム変更などをしない ・会社の許可なく指定されたソフトウエア以外の利用をしない ・パソコン内のソフトの複製、転用の禁止 ・会社の許可なくUSBメモリ等のデータを含む物の使用を禁止 |
【パスワード管理】 | ・利用者は責任をもってパソコンの使用に必要なIDやパスワードを管理し、第三者に漏洩しない |
【データ利用】 | ・業務の目的のために会社が作成するファイル・データを利用する事ができる |
【データ引継ぎ】 | ・利用者は担当の変更、休暇など必要に応じてパソコン内のデータや情報など次に利用する者へ不備なく引継ぎをおこなう |
【モニタリング】 | ・利用者の同意がなくても、必要に応じて会社が求めた時にパソコンを会社へ返還しなければならない場合がある |
【報告】 | ・利用者は破損・紛失盗難被害にあったとき、パスワードが第三者へ漏洩したとき、パソコンに不具合が生じたとき、不正アクセス・ウイルス侵入など異常をきたしたときには速やかに会社へ報告する |
【懲戒処分】 | ・本就業規則に違反した場合は懲戒処分をおこなう(口頭注意、始末書の提出を要求、懲戒処分、減給処分、退職を要求) |
【誓約書】 | ・利用者は会社が別途定める貸与するパソコンの使用、機密保持などに関する誓約書を作成、提出する |
ノートパソコンを貸与する際、就業規則では上記のような内容が記載されています。
また、貸与にあたり誓約書を提出する旨も記載されています。
では貸与誓約書とはどのような記載があるのかをみていきます。
就業規則にも記載されていたノートパソコンの貸与にあたって提出しなければならない、貸与誓約書をみていきます。
日本国内で発生する企業の情報漏えいのほとんどが社員のノートパソコン等の持ち出しが原因となっているようです。
会社の損害を未然に防ぐために、就業規則とは別途誓約内容を定め、利用者に貸与誓約書を提出させます。
では、誓約書にはどういった内容を記載すべきなのかをまとめたのでご覧ください。
貸与誓約書 記載事項 |
・パソコンに保存されている会社の情報を外部に流さない |
・個人的な要件で情報を送受信しない |
・セクシャルハラスメントとなる情報を流さない |
・パソコンを使用して社内での誹謗中傷の情報を流さない |
・パソコンを使用して国籍や宗教、障害者への差別情報を流さない |
・個人的な使用で業務に関係のないWEBの閲覧をしない |
・業務に関係のない文書や画像の編集、ダウンロードをしない |
・ID、パスワードは厳重に管理をする |
・許可なくパソコンの改造・周辺機器への接続や解除をしない |
・在職中、または退職後に業務で得た情報を使用し、不正アクセスをしない |
・許可なくアプリケーションやソフトをインストールしたり、ダウンロードをしない |
・機密情報を許可なく複製・謄写をしない |
このように誓約内容を記載しておくことで、会社に損害を与えるようなトラブルを防ぐ事ができます。
また、誓約書の提出時に改めて口頭で念を押すこともうっかり…の抑止にもなります。
最後に社外へノートパソコンを持ち出す際に提出させる持出し申請書の内容をご紹介します。
こちらは利用者の確認だけでなく、ノートパソコンの管理をおこなう上でも重要な役割となるので、提出させておくと良いでしょう。
持出申請書 記載事項 |
・ノートパソコンの持出理由・目的 |
・持出期間、使用場所 |
・持出すノートパソコンの機種名やシリアル番号等 |
・利用者名、必要に応じて押印 |
上記の申請書を提出させる事で「いつ・誰が・どこで」利用したかの管理ができるので、万が一トラブル等が発生した場合でも原因を早急に解明できます。
テレワーク・在宅ワークも日本国内で浸透し、働き方が多様化し業務の効率が進んでいます。
しかし、この反面で情報漏えいや不正アクセスなどによる会社の損害も懸念されます。
今回紹介したノートパソコン貸与の際に提出させる書類のためだけに出社となると腰が重くなり、面倒と思われるかもしれませんが、思わぬところから大損害を被る事になりかねません。
既に導入している企業もありますが、クラウドサイン等の電子誓約が普及すれば、より便利・容易に必要な書類を提出させる事ができます。
また、レンタルPCを利用する際、セキュリティ面でも安心して利用できるリモートアクセス・リモートデスクトップもあわせて利用すると良いでしょう。
過去に【レンタルパソコンで使うリモートデスクトップツール10選】を公開しておりますので、リモートアクセスの事でお悩みの場合は是非こちらもご覧ください。
今回は会社が従業員へパソコン等の端末を貸与する際に作成・提出させる書類に関してご紹介しました。
就業規則に記載していなかった、誓約書を提出させなかった事で損害を与えてしまった原因が会社という事になってしまう場合もあります。
会社側からすれば「大人だから」「社会人だから」私的利用をしないのは当然だったと思っていた。と思うかもしれません。
しかしこの場合、仮に裁判になったとしても一般的には『就業規則に記載していなかった』『誓約書を提出させなかった』という理由で会社側に責任があったとされてしまう事が多いです。
貸与する従業員にも事前に禁止事項や制限を認識させ、誓約書等を提出させる事で会社としても安心して業務を任せられますし、従業員も会社から禁止されている事と理解し、私的利用なく効率良く業務に取り組めるのではないでしょうか。
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