法人で利用するオンラインストレージの選び方┃クラウド管理の第一歩 2020.10.28

法人企業においてはテレワーク・在宅ワークへの移行と共に、オンラインストレージを利用する機会が増えております。
パソコンを利用する際は、漏れなく利用されることが多いと思います。利用・返却時のデータ移行をおこなう際は非常に便利です。
今回は法人における、オンラインストレージの切替について解説をおこなって参ります。
もくじ
①オンラインストレージの種類解説・比較
法人向けオンラインストレージの主要サービスを4つピックアップして、それぞれ紹介していきます。
1.Googleドライブ
公式ページはコチラ「Google Workplace」
Googleが提供しているGoogleドライブは、Google Workplace(旧称:G suite)の機能の1つで、ドキュメントから画像や動画までをオンライン上に保存できます。
料金プランもスタートアップから大企業までに対応した幅広いプランを展開しています。
特徴
Googleドライブの強みはなんといってもGmailやGoogleフォトといった同社のサービスとの連携による利便性の高さにあります。
スプレッドシートやドキュメントなどが作成でき、その都度上書き保存する必要はなく、自動的にアカウントに紐付いたドライブに保存されます。
洗練されたUIで、初めて利用する場合でもどこにファイルをおけば共有できるかなどが直感的にわかります。
また、検索機能も優れており、ファイルの内容も読み込んでキーワードと一致したものを探し出してくれます。
プラン名 | Business Starter | Business Standard | Business Plus |
料金 | 680円 | 1,360円 | 2,040円 |
容量 | 30GB | 2TB | 5TB |
2.OneDrive for Business
公式ページはコチラ「OneDrive for Business」
Microsoftが提供しているOneDrive for businessはMicroSfotアカウントがあれば、誰でも利用することができるオンラインストレージです。
Office365を定期契約した場合に1TB の容量が付いてきますが、無料会員でも5GB のお試しが可能です。
以前は「SkyDrive」という名称でしたが「OneDrive」に変更されて、現在は多くの企業で導入されています。
特徴
基本的な使い勝手は個人向けのOneDriveと同じで、あらかじめ指定したフォルダがストレージと同期される仕組みです。
クラウド上にあるファイルは閲覧時に都度ダウンロードが必要となり、使用頻度の高いファイルは「常に保持する」を選択しておけばその手間は省けます。
Businessアカウントにアップグレードすれば、容量増加だけでなく利用者の追加・削除、アクセス範囲の設定などより詳細な管理機能が追加されます。
プラン名 | Business Plan 1 | Business Plan 2 |
料金 | 540円 | 1,090円 |
容量 | 1TB | 無制限 |
3.Dropbox Business
公式ページはコチラ「Dropbox Business」
個人向けのオンラインストレージの中でも人気なDropboxですが、法人向けにも「Dropbox Business」があります。
個人向けよりもセキュリティ面が強化されており、ローカルデバイスでの遠隔操作、アカウント削除などができるようになります。
特徴
DropboxBusinessはファイルの復元が無期限で行えるほか、管理ツールやチーム毎のファイル管理がしやすいなどビジネスに最適化されています。
Webブラウザからの閲覧も可能なため、建築業界ではillustratorをインストールしていなくても図面を閲覧できることから多く導入されています。
また、「Dropboxバッジ機能」を使えば作業中のファイルを閲覧したい場合でも、複数人がファイルを閲覧でき、誰が利用中かも一目瞭然です。
プラン名 | Standard | Advanced | Enterprise |
料金 | 1,250円 | 2,000円 | 要問い合わせ |
容量 | 5TB | 必要に応じて追加 | 要問い合わせ |
4.box Business
公式ページはコチラ「box Business」
box Businessは、全世界の60万社以上に利用されているオンラインストレージサービスです。
これだけ多くの会社にサービス提供しているにも関わらず、セキュリティに関する大きな事故が起きていないため安全性の高さが保証されています。
特徴
ビジネスでの使用を意識して作られていることもあり、権限設定やパスワードで保護された機密文書共有、ユーザーログの監視などの機能が揃っています。
さらにStarterプラン以外はすべて容量無制限で使えるため残りの容量を気にすることなく、ストレスフリーで利用ができます。
また、ダウンロードなしでプレビューができ、利便性と安全性の高さを両立しているストレージサービスといえます。
プラン名 | Starter | Business | Business Plus | Enterprise |
料金 | 522円 | 1,710円 | 2,850円 | 4,200円 |
容量 | 100GB | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
主要オンラインストレージのその他項目についても以下の表にまとめましたので、こちらもご覧ください。
Googleドライブ | OneDrive for Business | Dropbox Business | box Business | |
有料プランの無料トライアル | あり(14日間) | Business Standardのみあり(30日間) | あり(30日間) | あり(14日間) |
月額料金(1ユーザー) |
Business Starter:680円 |
Business Plan 1:540円 Business Plan 2:1,090円 |
Standard:1,250円 Advanced:2,000円 Enterprise:要問合せ |
Starter:522円 Business :1,710円 Business Plus:2,850円 Enterprise:4,200円 |
容量 | 30GB~必要に応じて拡張 | 1TB~無制限 | 3TB~ユーザーで設定 | 無制限(Starterのみ100GB) |
サポート対応 | 電話・メール・チャット | 電話・チャット | チャット・電話(Enterpriseは24時間) | なし |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
アプリへの対応 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
②個人・法人でのオンラインストレージの使い勝手
個人利用であれば、ローカルの共有フォルダ等からのオンラインストレージは簡単で、ブラウザもしくはアプリ上からファイルのドラッグ&ドロップで完了します。
また、前項で紹介した個人向けの無料のサービスでも暗号化やアクセス権限の設定が可能です。
(画像:microsoft supportより)
法人向けになるとさらにアカウントやグループ管理機能が追加され、ファイルを編集・移動・削除・ダウンロードするにしても権限を貰った後で操作できるようになります。
また、ストレージを利用する端末毎の認証、利用ログが閲覧できたり、サービスによってはリアルタイムでの監視が付きます。
③重要なセキュリティについて
オンラインストレージにおいてはセキュリティ面も非常に大切です。
過去には無料オンラインストレージの「宅ふぁいる便」が、セキュリティの脆弱性が原因で約480万件分の個人情報が流出し、2020年3月末にサービスを終了しています。
オンラインストレージにどのような安全対策が施されているかも重要なポイントですので解説していきます。
1.編集権限の割り当て
重要なファイルを持ち出されたり、情報流出のリスクを減らすためにもユーザーごとに権限の付与設定を行える必要があります。
ファイルの編集、ダウンロードやコメントの可否などを従業員だけでなく、ゲストを含めて柔軟に設定できると尚良いです。
2.不正ログイン対策
きちんとしたファイル暗号化機能が備わっていても、ユーザーID・パスワードが漏洩してしまえば、覗かれる可能性が高まります。
インターネット上での通信を暗号化し、第三者のサーバーへの侵入を防ぐSSL認証等が使われているオンラインストレージにしましょう。
3.データ消失に備えた機能
誤操作によるものに加えて、自然災害やハッキングをはじめとするサイバー攻撃によるデータ消失にも備えたバックアップが取れるかもサービスを選ぶ重要なポイントの1つです。
サイバー攻撃で使用されるランサムウェアへの対策、データセンターの所在地、バックアップを取れる十分な容量が取れるかをチェックしましょう。
④オンラインストレージのまとめ
法人向けの主要なオンラインストレージを比較しながら解説していきました。
ログインすればどこでもファイルをダウンロードできるオンラインストレージは、レンタルPCとの相性が非常に良いです。
今回お伝えした内容を元に自社に最適なサービスを選んでいただければ幸いです。